聖書の創世紀に出てくる「ノアの箱舟」にまつわるお話です

ノアと家族そして大切な家畜たちは、神様のお告げにしたがって洪水がやってくる前に急いで舟に乗り込みました。大切な家畜の中には羊たちもいました。箱舟の中は狭い場所ですから、羊たちは動く度に、そして体がすれ合う度に毛が床に抜け落ちました。その羊毛の上を押し合いへし合い羊たちは足踏みし、おしっこをし、また足踏みし、という様に床の毛は、暖かい尿と羊のひづめとで航海中踏みつけられ続けました。やがて洪水も納まり漂いついた地にノアは家畜たちを降ろしました。

するとどうでしょう!羊たちのいた場所の床一面に、毛が固まってできたじゅうたん(=フェルト)が敷き詰められていたのです!

このお話は、羊毛に「温かい=熱」「アルカリ性の水分」と「摩擦」や「圧力」を加えてあげると、毛と毛が絡み合い縮まってフェルトになる事。羊の毛がどうやってフェルトに変化して行くかをよく示すお話として知られています。

人や動物の汗や尿そして涙はアルカリ性の水分です。ですから羊と人間が一緒に暮らしていた地域には、このお話の様に偶然起こった出来事からフェルトを発見したという逸話が幾つか伝わっています。

もしノアが羊毛のフェルトの塊を発見していたとすると、そのフェルトをどうしたのか?!それが気になっています。

私達はものづくりの最中に色々な発見や失敗に出会いますが、そのことがきっかけで次の作品に繋がっていったりします。
こういう偶然の発見は誰かが落としてくれた宝物のような気がしています。

「ノアの箱舟」は実在していた?!

トルコ南東部にあるアララト山で「箱舟」の痕跡が発見された!その場所は、聖書の中で「ノアの箱舟」が漂着したとされる位置、しかも船のサイズは聖書の記述とほぼ合致!と紹介されたNHKのシルクロードドキュメント番組が以前ありました。最近ではyoutubeで、その信憑性を検証する映像を見ることができました。「やはり箱舟は存在していたのか!!」となるとフェルトは・・・???

20世紀になってようやく、トルコから中央アジア一帯にかけての遺跡から、フェルト破片が発掘されたという報告がフェルトの文献に記載されました。

伝説や逸話が真実と出逢う時、大きく何かがふくらみます・・・。